犬の予防歯科学 ラーニング&ワークショップⅣ

シニア犬の歯みがき

2017年9月14日、ドッグ デンタルケア. トレーニング ソサエティ(DDCTS)のメンバー及び動物歯科学を学んでいるドッグトレーナーとシッターの方もご一緒に、林 一彦 先生によるワークショップを開催しました。

シニア犬の歯みがき

今回はシニア犬の歯みがきについてと、抜歯してしまっている犬の口腔ケアについての勉強となりました。メンバーの犬達にも10歳以上のシニアがいるので、活躍してもらいましたよ! プラーク染め出し液を使って、どこにプラークが付着しているのか? 歯みがきの方法は正しくできているのか? 勉強会では毎回反復して皆の見知が正しいかどうかを確認します。プラーク染め出し液も、単に染まればいいというワケではありません。犬に使っても大丈夫な成分かどうか? 染め方はどうすればよいのか? 一歩間違えれば事故になりますので、しっかりご教示いただきました。

 

 

 

 

 

同じ人が使った歴代の歯ブラシ(全て同型)。使用期間と歯ブラシの劣化状態から見る、歯みがきのやり方の傾向を先生が分析して解説して下さいました。犬の歯みがきの時に力が強すぎていないか?毛の広がりはどうなっているのか? このようなことがわかっていれば飼い主さんにも犬の歯みがきが上手にできているのかや改善点があるのかをお伝えすることができます。

犬の歯列模型を使っての先生からのご教示もありました。犬の口を開ける時のポイントも口内の状況を把握するのには重要です。抜歯している小型犬などはアゴの骨が折れることもあります。

 

 

 

 

 

模型での解説後は実際に犬を使っての解説です。写真のラブラドールは5歳。子犬の時からハンドリングをしっかり練習していますから、あまりよく知らない人から口周りを触られても全く問題ありません。

 

 

 

 

 

染め出し液を塗布した8歳のダックスフント。 塗布した瞬間は、沢山の面積でプラークが染まっているように見えますが、いったん口を閉じて染め出し液が口内を循環したあとは、この犬の歯はプラークが染まっている部分はほとんどありませんでした。

歯周病や歯ブラシのことについてお話できる人はドッグトレーナー以外でも沢山いるかもしれません。しかし、犬の歯みがきトレーニング(歯みがき以外のトレーニングもですが)については、「モノマネ」では通用しません。

どのような方法でその犬に合った犬の歯みがきトレーニングをするのか? それを飼い主さんにお伝えできるのは、ドッグトレーナーでしょう。メンバーの半数は世界基準のドッグトレーナーの資格、CPDT-KAを保有しています。学習理論を用いた上で犬の様子をしっかり把握したトレーニングでないと、飼い主さんが咬傷事故に遭う危険性があります。歯みがきトレーニングについて、林先生もご一緒に、予定時間を大幅に超過して、多くのディスカッションができたワークショップとなりました。

なお、DDCTSの講師、林一彦先生は、10月に小金井市主催、11月に八王子市主催で一般市民向けの公開講座があるとのことです。対象市民の方は市で発行している動物関連掲載の広報などでご確認下さい。(DDCTSでの受付や対応はしておりません)